二極化した今季“前半の前半”と“前半の後半”
パスに関しては、総本数、成功本数、成功率すべてが昨季後半の方が上回った。しかし、注目すべきは縦パス率。昨季後半は、49.1%と過半数を割っていた一方で、今季前半は52.1%と過半数超え。本数を見ても、パス総本数では昨季後半を下回りながら、縦パス本数では上回った。
昨季後半はバックパスで安全につないでいたためにパス成功率84%と高い数字となったが、今季前半は失敗を恐れず積極的に縦パスを狙うことでカウンターを主とするチームの攻撃を活性化させたと言える。
さらに、サイドで起用される選手にとっては重要となる1対1でも昨季後半の44%から今季前半は64%と向上。相手DFとの1対1を制することで得点のチャンスを生み出した。
守備面に関する項目でも、インターセプト回数が11回から21回に激増。クリア本数でも6本から11本に増えた。
やはりパフォーマンススコアが示す通り、昨季後半から今季前半は攻撃面においても守備面においても大幅にパフォーマンスを向上させたことが分かった。
しかし、本田圭佑の今季前半16試合は、そこからさらに2つに分けて分析する必要があるだろう。
まず、得点を量産した“前半の前半”開幕7試合では6得点2アシストを記録。一方、“前半の後半”となる9試合では0得点1アシストと対照的な成績となった。
では、第1節~7節と第8節~16節までのデータを見てみよう。こちらは表2にまとめた。
まずはパフォーマンススコア。やはり7節までは289でチームトップとなる高い評価となった。対して9戦無得点となった第8節~16節までは140。チームトップの座をGKディエゴ・ロペスに明け渡し、6番目の評価となった。
こちらも攻撃・守備・ポゼッションの3項目別に分けると、7節までは攻撃265.85、守備58.15、ポゼッション-35.35となった。対して8節~16節では攻撃120.02、守備67.97、ポゼッション-48.38と攻撃面がダウンし、守備面がアップする結果となった。