PK戦やスローインは廃止してしまえばいい
ファン・ハールはバイエルン・ミュンヘンの監督時代、ラディカルなルール改正を提案している。ドイツの雑誌『キッカー』に掲載された、「ファン・ハール革命」と題された記事において、PK戦で試合の決着をつけるのはナンセンスだと指摘したのである。
「PK戦はくじ引きのようなものだ。むしろ私はグラディエーターのように、最後まで決着をつける方法がいいと思う。(90分間の戦いが)引き分けに終わった後に延長戦を行うのなら、5分ごとに一人ずつ選手を減らしていきながら、15分ハーフの延長戦を2度やればいい。つまり(延長が始まってから5分後の)95分には10対10でプレーし、100分からは9対9で試合をする。
115分からは6人同士で戦う形になるが、こうすれば本当に一番強いチームが確実に勝利をものにできるようになるはずだ。120分経っても結果が出ないときには、ゴールデンゴールで試合に決着をつければいい」
ファン・ハールはさらに、サッカーボールに電子チップを埋め込むアイディアを支持しただけでなく、スローインを廃止することも提案している。
「スローインは、ボールを投げ込む側のチームにとって有利な制度であるはずなのに、実際には敵にボールが渡ってしまうケースが半数以上を占めている。そもそもスローインというのは、それ自体が少し変な制度だ。“フットボール”の試合なのだから、なぜスローインの時だけ突然手を使わなければならないのだろうか。
本来であればスローインは、『キックイン』であるべきだ。『キックイン』の導入は、守備をする側のチームが、簡単にボールをタッチラインに蹴り出さなくなるという意味でも効果的だ。『キックイン』を採用すれば、現在の試合の在り方を変えることができるし、試合を面白くすることもできる」
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