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[INTERVIEW]野呂輝久代表取締役社長 新スタジアムに見る夢

text by 鈴木康浩 photo by GANBA OSAKA , Stadium construction fund-raising organization , editorial staff

お城から降りてきたという感覚

[INTERVIEW]野呂輝久代表取締役社長 新スタジアムに見る夢
ガンバ大阪代表取締役社長、野呂輝久(のろ・てるひさ)氏【写真:Editors】

――前回、お話を伺ったとき収容率60%で2万4000人、そのラインで指定管理者としての管理費をペイできると。もっと集客できるに越したことはありませんが、現状、今季のここまでが1万5000弱という数字。

「ちょっと少ないですよね」

――去年はJ2で1万2000人ほど。これはやむを得ないとしても2012年以前は約1万7000人で推移していたので平均で2000人ほど減少しています。

「まあ、今年は無料招待券を有料にしたんです。吹田市さんの市民応援デーの無料招待券が今までは『5000人来てください』と招待すれば、多ければ4000人は来られていたのですが、子どもは無料のまま、大人は優待券の有料に変えたんです」

――無料から優待に変えたと。通常料金よりは安いわけですね。

「そうですね。全体の減少分からすれば、優待券に変えて1600人ほどが減っているから数字は合うんです」

――今年から変えたんですか。

「今年からです。有料にしたのは意識的にそうしたのであって、新スタジアムにはたくさんご来場頂きたいのですが無料招待券を増やせば結局収益には繋がりません。だからいまは我慢。集客数は増やしたいけど数よりも質を確保する。有料券でも来場頂けるお客さんを作っておこうと」

――リピートしてくれるコアファンの数ですね。

「いまはお金を払ってでも確実に来てくださるお客さんのベースを固める時期だと考えていて、それでも現状で平均1万4500人は入ってくれているという捉え方ですね」

――それが今後は最低でも2万4000人は必要というお話ですよね。収容率で言えば60%。

「経営的にも最低でも2万4000人は入らないと厳しいでしょうね。ただ、すぐには増えないでしょうから、地道にファンクラブ会員を増やすことがまず一つ。それと、この2年間で大きいのは募金活動をしたということですよ。募金活動イコール、地元の企業や団体、ロータリークラブ、青年会議所。企業から530社は募金を頂いていて、うち400社以上は地元の企業。イコール、お客さん作りなんですよ。

 逆にいえば、ガンバは今まで地元企業へ挨拶に回ったことがなかったんです。もちろん、選手たちが商店街に行く、イベントに参加する、サッカー教室を開催する、キャンペーンに行く、1年に小学校約60校を回って、約2万人の児童に会っていますし、そういうホームタウン活動はくまなくやってきましたよ。でも地元企業を歩いてドアを叩いて『こんにちは、ガンバです』とはやってこなかった。だから初めて企業に行ったときは『ようやくガンバさんが上から降りてきてくれた』みたいなことを言われて(笑)」

――あー、お城から降りてきたという感覚。

「そうそう(笑)。実際、クラブハウスが吹田市の高いところにあるんですけどね、最初はどんな意味で言われているんかなあと思いましたけどねえ(笑)」

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