好調時とは程遠い香川
インモービレにロングボールが入る。ガルベスとルキミヤのCBコンビで対応する。もしくは、右SBセーラシ、ガルベス、ボランチのバーグフレーデで取り囲んで潰す。FWのゼルケまたはローレンツェンは、ギンターの背後を虎視眈々と狙う。
22分、インモービレに密着したルキミヤが弾いて、キルヒは拾って左に繋ごうとしたところを、セーラシが奪ってカウンター。ゼルケがギンターの裏に抜け出す。
CLアウェイのアーセナル戦でも狙われ続けたギンターは、相手FWとの攻防の中で、CBとしての自信が削がれていくようだった。何もかもブレーメンの思う壷だった。
ルックアップ時、前方に入れどころのないドルトムントはリズムを生み出せず、悪循環にハマり込んでいく。ロングボールを入れることが難しいのであれば、縦パスを入れたい。試合中にクロップはベンチの前でしきりに「縦に入れろ!」と指示を出していたという。
しかしその場合、トップにはより高度な動き出しの質が求められることになり、インモービレは応えることが出来なかった。
後半に入るとドルトムントはトップ下に香川真司を投入する。中盤をダイヤモンド型の4-4-2とし、インモービレとオーバメヤンの2トップである。FWを1枚増やして、前線のターゲットを増やした格好だ。
またギュンドアンに比べて香川は、そのターンを武器としボールを受けて即座に前を向き、攻撃に厚みをもたらすことが出来る。
しかしブレーメン戦では、それは理想論のまま終わった。本来サイドアタッカーのオーバメヤンはターゲットとしての役割を果たせず、公式戦では3試合ぶりの出場となった香川だが、好調時のパフォーマンスからは依然として遠い。
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