運動量とスピード。現地メディアが改めて長友を評価
「今日もたくさんのチャンスを作りながら、最終的な精度の部分でまだまだ改善しなければいけないところはたくさんありますし、相手に危険な場面を作られたところはたくさんあるんで、しっかりと今日の反省点を活かして次にしっかり修正したいなと思いますけど」
試合後、長友佑都からは反省の弁が最初に口をついて出た。キエーボ戦で、マンチーニ監督就任後4試合目でリーグ戦初勝利。フル出場した長友ではあったが、あまりすっきりとした表情ではなかった。「最後の精度で、最初に2点、3点取れれば…」という言葉を語ったのち、精度の反省は自分に対しても向けられた。
「最後のクロスですけど、オスバルドが見えてて、僕も少し出すのが早すぎたかなと。もうちょっと貯めればオスバルドが行ける時間があったんですけど。あとパラシオが奥にいたんですけど…、でも僕のミスですね。そういう精度の部分はどんどん上げていきたいというか」
実際、ミスは少なくなかった。相手にクリアされたクロスも多かったし、前半19分のクロスから先制点には絡んだが、それについても「イカルディがよく折り返して、あとコバチッチがしっかり決めてくれたというので。クロスは相手に当たったんで、まあ彼らの得点だなと」。あまり表情は浮かなかった。
こうした精度上のミスがあった時、だいたい次の日は地元紙の採点も悪い。ところが一夜明けてみたら、そうでもなかった。主要紙は軒並み6.5。
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』はインテルの戦術分析のページを組み、その中で「長友は矢。序盤からインテルは積極的に攻めたが、とりわけ長友の仕事がその根本をなすものだった。最初の15分間でインテルはチーム全体で6回、敵陣深く攻め込んでクロスを上げるシーンがあったが、長友は90分間で一人6回のクロスを上げた」と評価していた。
運動量と90分間で落ちないスピード。観る方としても当たり前になりすぎていた長友のクオリティが、あらためて武器として評価されたということだ。サイドを一人で押し込む走力は、マンチーニ監督のもと4バックに回帰しても発揮されていたのだ。