グーラムを翻弄。ナポリの攻撃力を削ぐ
密集をかいくぐってパスを出し、攻撃を加速させてスタンドのどよめきを呼んだことも前半で4度。そのうち2度は、決定的なチャンスになっている。
32分、フェイントからマークを釣り出し、外のボネーラに出して最終的にモントリーボのシュートへつながる。
また34分には、最終ラインから飛び出してきたクリバリの当たりを柔軟にかわし、後方から走りこんできたポーリへ正確に繋ぐ。エリア内の飛び出したポーリのシュートはわずかにゴールから逸れるが、実に惜しかった。
35分、決定的なカウンターの場面でメネズと意思疎通がずれ、誰もいないスペースへスルーパスが転がったシーンの印象が強かったのか、「カウンターではひどいミス」(コリエレ・デッラ・セーラ)と地元紙には批判されている。
しかし上記のシーンがゴールへと繋がっていたら、本田に対する評価も変わっていたはずというのは擁護しすぎだろうか。
そして後半はサイドに開き、ナポリのローカル記者が指摘していたようにグーラムを翻弄していた。
縦に行くと見せかけて横を取る本田のフェイントに引っかかり続けるなど、守備力においては大した選手ではない。ただ彼をあの場で押し込み翻弄したことは、間接的にナポリから最大の攻撃力を削ぐことにつながった。
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