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本田圭佑 10年前

戦術的に機能した本田。素直に評価されるべき『11人の一人』としての貢献。残る課題は“悪辣さ”

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

2シャドーとしてのタスクを忠実にこなす

 インザーギ監督は、戦術の実行を考える上でエル・シャラウィらよりも本田を優先した。中盤の組織守備を固める上で、ボナベントゥーラを一列前に上げて運動量のあるポーリを補充。攻撃はカウンターで、ということなら、突破力があり守備でも実績のあるエル・シャラウィでも良かったわけである。

 しかし指揮官の考えは違った。「相手のメディアーニ(セントラルMF)2枚が弱く、そこからチャンスができることは分かっていた」と、ウイングを中で絞らせて2シャドー気味に戦うことを決意した。その結果本来トップ下である本田が選択され、彼はタスクを忠実にこなした。

 いつもより中に絞りながら、守備では確実にスペースを埋め、ジョルジーニョやダビド・ロペスが展開しようとするボールを切った。そして攻撃では彼らの裏にポジションを取って、起点を作るということを心がけた。

 先制点はボナベントゥーラを経由した左サイドだったが、本田からも度々危険な展開はスタートしている。ナポリも複数の選手で囲んできており、前半のプレスは決してルーズではない。

 昨シーズンまでだったら確実にボールロストし、カウンターの要因となっていたシーンの中で、上々の対応を見せていた。

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