フットボールチャンネル

セリエA 10年前

ローマとデ・ロッシとマフィア・カピターレ。イタリアサッカーに忍び寄る新たなスキャンダルの種

text by チェーザレ・ポレンギ photo by Getty Images

事実ならイタリアサッカーはさらなる衰退も

 最後に、3度目のタイトルを獲得したのはバチカンの聖年である2000年。当時のローマ会長だったフランコ・センシが、セリエAの39人の主審・副審たちにそれぞれロレックスの時計をプレゼントした後のことだった。

 疑惑の文化が至高のものとされるこの国において、今はローマに全ての視線が向けられており、メディアもサッカーファンもクラブを責める理由を見つけ出すため熱心に目を光らせている。

 憶測のいずれかが真実であると証明されたり、そうでなくともこういった疑いの目がガルシアのチームに悪影響を及ぼしたとすれば非常に嘆かわしいことだろう。

 絶対君主として君臨したユベントスを別とすれば、ローマは過去2年間のイタリアサッカー界で最もポジティブな存在だった。

 チームが良いパフォーマンスを披露し、昨季セリエAで2位にふさわしい戦いを見せたというだけではない。イタリア系アメリカ人のオーナー、ジェームズ・パロッタ氏のもとで、クラブは新たな地平を開拓することに成功していた。

 クラブのブランド力はイタリア国内外において強化されてきた。新スタジアム建設を含めた野心的なプロジェクトは、ローマだけに限らず、セリエA全体が世界に向けたイメージを改善する助けとなるかもしれない。

 ローマはクラブとして、チームの象徴的な選手であるデ・ロッシとの間で早急に状況を明確にしなければならない。証拠も無しに投げかけられる一切の非難を許すべきではないし、場合によってはイメージを守るため法的手段にも訴えるべきだ。

 この問題は非常に深刻なものだ。ローマであれそれ以外であれ、イタリアサッカー界の重要な存在がまた新たなスキャンダルに巻き込まれてしまったとすれば、セリエAの信頼性に対する被害は甚大なものとなる可能性がある。

 すでに困難なものとなっているカルチョの現状を鑑みれば、そのリスクを冒すわけにはいかない。

【了】

フットボールチャンネルfacebookはこちら→
フットボールチャンネルTwitterはこちら→

関連リンク

サッカー好きほど知らない戦術の常識
一流フットボーラーがリアルに語る「個」の戦術論

1 2 3 4

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!