相次いだローマ戦での審判による不可解な判定
2013年9月に盗聴された電話記録の中に、ローマの副キャプテンが助けを求める声が録音されていた。ナイトクラブでのケンカに巻き込まれた彼と元チームメートのメフディ・ベナティアを守ってほしいというものだった。
通話の相手はジョヴァンニ・デ・カルロ。「マフィア・カピターレ」のコードネームで進められている、ローマにおける組織的犯罪捜査の対象の中心にいる人物の一人である。
デ・カルロとの間に友人関係があると見られる(電話の中で彼はデ・ロッシを”アミーコ”と呼んでいた)からといって、デ・ロッシが直接的に犯罪行為と結び付けられるわけではない。
だが、ローマにおいて「裕福で有名な者たち」の間に存在する厄介な交友関係の現実が暴き出されたのは確かだ。犯罪者や政治家、テレビや映画関係者らに加えて、ローマの選手たちの一部もそこに含まれているようだ。
サッカーに話を戻せば、デ・ロッシは悲惨な1週間を締めくくるかのように、12月7日のサッスオーロ戦でレッドカードを受けてしまう。ローマはホームで2点をリードされ、手痛い敗戦を喫することになるかと思われた。
だがイッラーティ主審の2つのミス(非常に気前の良いPKと、オフサイドでのゴール取り消し)に助けられ、ローマは同点に追いつく。勝ち点1をどうにか確保することに成功した。
続いてローマがジェノヴァを訪れた試合でも、再び大きな論争が巻き起こった。バンティ主審がホームチームのGKマッティア・ペリンを退場とし、PK(決められなかったが)を与えたジャッジはおおむね妥当なものに思えたが、その後は2つの場面でジェノアが判定に泣かされてしまう。
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