警察の捜査に巻き込まれたデ・ロッシ
ローマと、ローマに所属する一部選手たちにとって長い2週間だった。
ピッチ上での動きに目を向ければ、チームはチャンピオンズリーグで敗退し、ヨーロッパリーグへ回ることを余儀なくされた(欧州の大会に出場したイタリア勢6チームの中で唯一のグループステージ敗退)。その一方でユベントスとわずか1ポイント差に迫り、スクデット争いを白熱させている。
ストロートマンはまだ重い負傷から完全に回復してはいないし、38歳のトッティがシーズンを通してコンディションを維持できるかどうかという疑問もある。イトゥルベもまだ3000万ユーロ(約43億8000万円)という値札に見合う活躍は見せられていない。
だが、同時にポジティブな兆しも見えている。リャイッチは決定的な場面で魔法を繰り出し、ジェルビーニョは相変わらず独力でセリエAの守備陣を圧倒している。そして何より大きいのは、ナインゴランが真のリーダーとして覚醒し、チームの心臓部分で重要な存在感を放っていることだろう。
だが問題は、サッカー以外の部分にある。
まずは、チーム内で重要な存在である一人の選手を巡る問題が発生した。ローマ生え抜きのダニエレ・デ・ロッシである。11月30日に彼の前妻タマラ・ピズノーリが、負債の返済が遅れたローマのビジネスマンに対する暴行・拷問に関与した容疑で警察の捜索を受け、逮捕されることになった。
もちろん、元配偶者に何が起こったからといって、選手本人に責任があると考えた者は誰もいなかった。だが事態はその5日後に悪化する。12月4日、今度はデ・ロッシ本人が直接的に警察の捜査に巻き込まれることになってしまった。