今、チームに必要な「死に物狂い」
しかし今、「我々はボルシア・ドルトムントだ」という誇り、それこそが最後の足枷となっているのではないだろうか。ケールの言葉尻を捉える格好となってしまうが、パダーボルン戦では2-0とした後で、どこか緩やかな空気があったようにも思える。まさに「我々はボルシア・ドルトムントだ」といったような、誇りと紙一重の慢心である。
12月9日アンデルレヒト戦の後で、確かに香川は、「今クロップ監督が香川選手に求める役割は?」というこちらの問いに対して「この状況で1人ひとりに求められるものは戦って、死に物狂いで勝ち点3を取ること」と述べたが、ヘルタ戦の後で主将のフンメルスは、試合が終わるやピッチを後にして早足にミックスゾーンを通り過ぎた。はるばると冬のベルリンにまで「本物の愛」とともに、駆け付けたファンの前には立たずに。
15日付の独大衆紙『ビルト』には、既にドルトムントがセリエAパレルモ所属のFWパウロの代理人に接触したとの情報が載るなど、ここに来てドルトムントもなりふり構わない姿勢を見せ始めている。
そういった「死に物狂い」の姿勢は、例え17日のホームのボルフスブルク戦でまた勝利を掴んだとしても、「死に物狂い」で保ち続けるべきだろう。無事シーズンが終わった時、「我々はボルシア・ドルトムントだ」という誇りを持って、ゴール裏の前に立つために。
それこそが、いつもスタジアムを埋め尽くすファンに対する「本物の愛」であるはずだ。
【了】
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