危機が続くドルトムント
もはやボルシア・ドルトムントは、恥も外聞もかなぐり捨てるべき時に来ているのかもしれない。
12月5日のホッフェンハイム戦を1-0で勝利を収めたことで14位に浮上し、降格圏を脱したかに思われたドルトムントは、13日ヘルタ・ベルリンに敗北を喫したことで、順位を16位に落とした。シーズン終了時に16位はそのまま2部に降格となる訳ではないが、2部の3位と入れ替え戦を行うこととなる。
15日付のドルトムントの地元紙『ルール・ナッハリヒテン』は、俯くクロップの写真と、「Echte Krise(本物の危機)」という見出しを掲載した。この「Echte Krise」とは、ドルトムントのキャッチ・コピーである「Echte Liebe(本物の愛)」をもじったものだろう。今回に限らず、何度も「危機」という言葉が地元紙の紙面に浮かび上がった。ドルトムントは今、それだけの危機の中にある。
そしてここでムヒタリヤンが負傷離脱という良くないニュースが飛び込んできた。もちろん、サヒン、キルヒ、ブワシュチコフスキといった面々が戻ってきているのは事実だが、ヘルタ戦での失点に繋がったブワシュチコフスキのボールロストを見ても、長期に渡って離脱していた選手が直ぐさま本来のパフォーマンスを取り戻すことはやはり難しい。
ここに来てムヒタリヤンを欠いたドルトムントだが、既にロイスは11月22日のパダーボルン戦で負傷離脱しており、香川真司は絶不調、ホッフェンハイム戦からトップ下に入ったギュンドアンも、ヘルタ戦を見ればやはり応急処置の感は否めない。中盤のキープレイヤーを欠いたまま、ドルトムントは17日に2位のボルフスブルクをホームに迎えることとなり、危機はさらに続く。