黄金世代を率いて選手をまとめきれず…
2009年大会予選時には、現A代表の主将でGKのロリスや、マテュイディ、キャバイエ、シソコ、レミーらがいた。2011年大会予選のメンバーも、マンガラ、カプー、ゴナロン、ヤンガエムビワ等、タレントには不足していなかった。
そしてプレーオフで出場を逃した2013年大会予選のメンバーは、バラン、カベラ、グリーズマン、ラカゼットなど、来年のユーロで活躍するであろう現代表の精鋭たち…と、これだけの逸材が揃っていた、ある意味黄金世代だったにも関わらず、欧州選手権出場を逃したのは、フランスユースサッカー史の七不思議とさえ言われている。
しかも2013年のプレーオフ時には、考えられないような事件が起こった。
出場権を賭けたノルウェーとのプレーオフ期間中、数人の選手が夜中に合宿所を抜け出して、パリのナイトクラブに出かけるというとんでもない悪事をやらかしたのだ。
しかも合宿所があったのは、第1レグの会場だったル・アーブルで、フランス北東部にある海沿いのこの町からパリまではおよそ200kmの距離がある。
第1レグを1-0で勝利した翌日のことだったが、その後ノルウェーに場所を移しての第2レグでは3-5と、痛恨の逆転負けで本戦出場を逃した。このことは、試合会場の名前をとって、『ドランメルの悲劇』とも呼ばれている。
往復400kmも移動しての夜遊びで、選手達の体調が万全でなかったことは言わずもがなだが、選手にそのような隙を与えた、モンベールの監督としての威厳のなさが問われた一件だった。
結果、首謀者のエムビラは約1年半の代表謹慎、グリーズマンらもそれぞれ謹慎処分を受け、モンベールは代表監督を解任された。
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