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本田圭佑 10年前

垣間見えた本田の変化。カウンターのチームにおいてショートパスでアクセント。真の姿で活躍を!

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

ショートパスやタメで存在感を示す

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自らのストロングポイントをカウンターのチームで発揮しつつある【写真:Getty Images】

 ウディネーゼ戦では、相手が極端に引いたこともあってスペースが生まれてショートパスがつながった。前節ジェノア戦でもそのスタイルを継続して近いポジションの選手にパスを出したり、ワンツーパスで相手DFをかわそうとする場面が目立っていた。

 ただ、相手が厳しいプレスを仕掛けたことや、今季初先発となったモントリーボとの連係不足から、あくまで「試みる」程度に終わっていたため、地元メディアからは酷評の嵐を受けることとなってしまった。

 それでも、本田はこの日のナポリ戦でもそのスタイルを継続。そして、徐々に実を結んでいく可能性を感じさせるものとなった。

 象徴的なシーンがある。34分に右サイドでボールをキープしてポーリにつないだシーンと、60分にモントリーボのパスに抜け出してエリア内へ持ち込み、マイナスのパスでモントリーボへ返してシュートにつなげたシーンだ。

 どちらも得点には至らなかったものの、周囲との連係が呼んだチャンスといえるだろう。

 データサイト『Who Scored.com』のスカウティングを見ると、本田のプレースタイルに「Counter attack threat(カウンターで脅威)」とある一方で「Likes to play short passes(ショートパスを好む)」とある。一見、相反する2つのスタイルだが、共有は不可能ではない。

 実際、チームとしても50%以下の支配率で2得点を挙げて難敵ナポリを退けた。その中で、本田はこれまでのランニングやロングボールのターゲットとしてではなく、ショートパスの出し手やタメを作る選手として存在感を示した。

 何より、それこそが本田の本来の姿であり、そのスタイルで貢献してこそ真の活躍といえるだろう。

 これまでポゼッションを重視してプレーする中で培ってきた自らのストロングポイントをカウンターのチームでどう生かすのか。その答えを徐々に感じ取っているはず。

 チームは縦への速い攻撃を仕掛けつつ、本田がボールキープやショートパスでアクセントとなる…。そんな理想が見えた勝利となった。

【了】

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