カウンター型のミランに個性を組み込む本田
その傾向は、フィリッポ・インザーギ監督に率いられたミランにも当てはまりつつあるのかもしれない。
ミランは、3-1で勝利した第1節ラツィオ戦で44.4%だったものの、0-2で敗れた第10節パレルモ戦では62.5%とボールを支配した。
もちろん第3節ユベントス戦ではチーム力で大きく劣るため41.2%で0-1と敗れ、第6節キエーボ戦、第13節ウディネーゼ戦では60%以上を記録して勝利を収めるなど、支配率と勝敗が比例する結果となった試合もある。
それでもラツォオ戦と5-4で制した第2節パルマ戦、本田が2得点した第7節ヴェローナ戦で50%を切り、パレルモ戦と前節ジェノア戦で50%以上を記録して敗れた。
そして今回のナポリ戦では47.5%という支配率で2-0と勝利。実に、今季6勝中4勝が支配率で下回り、3敗中2敗が支配率で上回っている。
現在のミランは、ドルトムント同様に“支配率と結果が反比例するチーム”といえるだろう。
そんなカウンター型のミランにおいて、本田は徐々に自らの個性をチームに組み込みながら状態を上げている印象だった。
序盤、得点を量産していた時期には、ピッチを大きく使った展開からゴールを決める場面が多く、長い距離をランニングする状況が多々あった。これは、カウンターを狙うチームでは当然のことであり、以前はポゼッションを重視していた本田の意識の変化が垣間見えたものだった。
このスタイルの変化は相手チームにとっても脅威となり、7試合で6得点と爆発的な活躍につながった。だが、ライバルたちも黙ってはおらず、その後は徹底した対策を練られて8試合で無得点とゴールから遠ざかっている。
第8節から第11節までは序盤のプレーを潰されて沈黙し、第12節ミラノダービーでは疲労もあってベンチスタートとなった。
しかし、第13節からは周囲との連係を高めてショートパスを使った崩しを試みる場面が増えていた。