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香川真司 10年前

細貝の口から漏れた「一番嬉しい勝ち」。“残留争い”に敗れたドルトムント。香川は出番なく終戦…

text by 本田千尋 photo by Getty Images

ドルトムントのカウンターを再現したヘルタ

 ヘルタは守備時に4バックに加えて、両サイドハーフのどちらかが戻って5枚で守ることがあれば、場合によっては、そのどちらも戻って6バックのような格好を取ることもあった。ワントップのシーバーを残して、自陣に引く。そしてドルトムントは、攻めあぐねた。

 試合後にクロップが「確かに我々がボールを支配したのだが…」と述べたように、終わってみればボール支配率はドルトムントが70%であったのに対して、ヘルタは30%だった。

 前節に続いて香川の代わりにトップ下に入ったギュンドアンをコンダクターとして、ドルトムントは攻撃を組み立てていく。そこがヘルタの狙い目だった。

 ヘルタがどこで相手の芽を摘んだかと言えば、攻撃を司るギュンドアン、そしてムヒタリヤンだった。

 9分、フンメルスからムヒタリヤンに縦パスが入ったところを、ベーレンスが奪ってカウンターを仕掛ける。12分、ギュンドアンからムヒタリヤンにパスが入ったところを、ペカリークとニーマイヤーで挟んでボールを奪う。

 28分、中盤でギュンドアンがボールを持つや否や、シェルブレッドが潰した。引いたディフェンスと、ギュンドアン+ムヒタリヤンに対する中盤での厳しいチェック。ヘルタのBVB対策は功を奏した。クロップは言う。

「確かに我々がボールを支配したのだが、はっきりとしたアクションを起こせなかった」

 35分、ムヒタリヤンはブワシュチコフスキと交代となった。

 40分、中盤のブワシュチコフスキにボールが入ったところを、ニーマイヤーとシェルブレッドが挟んで奪ってカウンターを仕掛ける。最後はシーバーがフンメルスを交わして、ケールとランゲラクを翻弄して、ゴールを突き刺した。

 44分、またもギュンドアンが奪われて、カウンターを喰らう。ベーレンスとの1対1を、ランゲラクはかろうじて死守する。

 ヘルタのカウンターは、好調時のドルトムントのようだった。

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