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日本の育成年代に問題はない。数々の強豪国を倒し世界一に輝いた横河武蔵野FCの少年たちが目指すもの

ここ数ヶ月、アンダー世代の日本代表が総崩れとなり、育成の危機が囁かれる昨今。しかし11月にブラジルで開催された「ダノンネーションズカップ2014世界大会」で、横河武蔵野FCジュニアが日本勢として初めて世界一の栄冠に輝いた。もともと個の育成に定評のあるチームだが、今季はフィジカル能力も兼ね備えた好チームで前評判は高かった。彼らはどのようなアプローチの中で育ち、世界大会で何を経験し、感じたのか。戸田智史監督に話を聞いた。

text by 平野貴也 photo by danone2014

イングランド、オランダ、パラグアイなどの強豪を撃破

日本の育成年代に問題はない。数々の強豪国を倒し世界一に輝いた横河武蔵野FCの少年たちが目指すもの
【写真:DANONE2014】

――優勝おめでとうございます。世界大会では欧州、南米、アジア、アフリカと様々な地域のチームと対戦しましたね。いかがでしたか

 ありがとうございます。初戦で対戦したオランダは、慈善団体が機会に恵まれない子どもたちにチャンスを与えるという形で作ったチームでしたが、強かったですね。元オランダ代表のクライファートみたいな大きくて上手な選手もいました。

 私たちが初戦で動きが硬かったという部分もあるのですが、いつもと同じように一歩持ち出してシュートを打とうとすると追いつかれてしまうというか、足が伸びて来てブロックされるシーンが多かったです。

 シュートでもクロスでも最初に打てるタイミングを逃さないことが大事だと選手には言って来ましたが、それを肌で感じられたと思います。

 第2戦のサウジアラビアは、代表チームで180センチの長身選手もいました。やはり同じアジア勢ということもあって、勝負にこだわって対抗心を見せて来て、すごく良いチームでした(※横河武蔵野は、この試合だけ無得点で引き分けた)。

――第3戦のアルジェリア戦は大勝でしたが、きん差のゲームばかりでしたね

 トーナメントは、すべて厳しい試合でした。1回戦のイングランドは、失点した瞬間にタイプの違うFWを投入して、その選手をターゲットにして押し込んできました。

 2回戦のルーマニアは、日本でもクラブチームで多いポゼッション型のスタイルだったので、やりやすい相手でしたね。準決勝のチリ、決勝のパラグアイは(DF、MFの)2ラインで守ってくれたので、ボールは保持できましたが、相手が狙ってくるカウンターは鋭かったですね。

 あとは、僕たちがパス回しで優位に立てたのは、世界大会が今回から8人制で行われた(※前回までは9人制)ので、2011年度から8人制を導入している日本の方が慣れているという部分もあったと思います。

 ただ、ルールの面では(ゴールから13m地点に設置されていた)オフサイドラインが撤廃されて、GKのパントキックは禁止という国内とは異なる部分もあって、僕たちが戸惑ったところもありました。

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