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Jリーグ 10年前

ここから始まる、大宮の再生。未来を照らすユースの成功。「足腰を鍛えて這い上がれ」

大宮アルディージャが降格を喫した。メディアの多くが取り上げる「フロントの問題」は大きい。しかし、希望もある。ここ数年、ユースチームが成果を上げているのだ。下部組織の成功こそ再生へのヒントとなる。

text by 上野直彦 photo by Getty Images

現実となったサポーターの“予言”

ここから始まる、大宮の再生。未来を照らすユースの成功。「足腰を鍛えて這い上がれ」
わずか勝ち点「1」差で降格が決まってしまった大宮アルディージャ【写真:Getty Images】

 試合に勝利した大宮が「降格」した。

 J1最終節、NACK5スタジアム。大宮とC大阪との戦いは見応えがあった。

 降格が決まりモチベーションが落ちている相手とはいえ、大宮は高いインテンシティ、攻守の切り替えの早さ、GKが体を張った好セーブを連発。そして何といっても金澤の先制ゴールが見事だった。
 
 思えば昨シーズン、鬼門・鹿島との試合での同点ゴールも金澤なら、アウェイC大阪との試合開始30秒の超ロングシュートも彼だ。試合もともに勝っている。最終節の勝利を確信させるのに充分なゴールだった。結果は2-0の勝利。

 だが、15位の清水が0-0の引き分け。わずか勝ち点「1」差で降格が決まってしまったのだ。

 金澤は言う。

「広報から(清水が)0-0で終わったと聞いて、僕としては信じたくなかったのです。それでインタビューされた方にどうだったんですかと聞きました。その時、0-0で終わって降格が決まったんだと分かりました…………」

 結果を聞いた瞬間、ユース1期生でオレンジの魂を持つこの男の肩が震え出した。ユニフォームの『23』は夕陽に照らされ、背番号までもがオレンジ色に染まっていた。

 ホーム最終戦のセレモニーは、そのままサポーターへの謝罪となった。

 そんな時、ある言葉を思い出した。昨年の10月、同じNACK5スタジアムで開催されたサポーターズミーティング。その帰路で知り合ったサポーターがこう言った。

「もし3年連続監督交代があれば、大宮は間違いなく降格する」

 結果、その通りとなった。

 J2時代から応援しているそのサポーターは、クラブよりも正確に先を見通していたわけだ。最終節だけ、あるいは今季だけを振り返っても問題の解決にはならないと思われる。これからの大宮はどうしていけばいいのだろうか。

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