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Jリーグ 10年前

最後に浮き彫りとなった未熟さ。鹿島、09年以来のリーグ優勝逃す。悔しい結果を糧にできるか

J1最終節のサガン鳥栖戦、鹿島アントラーズは0-1で敗れシーズン終了を迎えた。若手の勢いが印象的なシーズンではあったが、最終的には無冠。タイトル獲得には何かが足りなかった。

text by 青木務 photo by Getty Images

一瞬の隙を突かれて失点

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小笠原満男はこの敗戦を誰よりも悔しがっていた【写真:Getty Images】

「こういう時にこんな不甲斐ない試合しかできないのは、今のチームの力かなと思います」

 キャプテンの小笠原満男は、感情を押し殺すように声を絞り出した。逆転優勝がかかった決戦であり、現役引退を決断した盟友・中田浩二を勝利で送り出すための試合だった。

 勝利への思いは誰もが強く抱いていた。

 試合前のウォーミングアップの時から、サポーターの「奇跡を起こせ」と大合唱が響いた。

 上に浦和レッズとガンバ大阪がおり、鹿島アントラーズの優勝の可能性は決して高くなかった。だが全くのノーチャンスでもなく、奇跡を信じ、勝利をつかむためにこの日を迎えた。最後の最後まで希望は捨てないという思いは、サポーターも同じだった。

 試合開始早々に土居聖真がこの日のファーストシュートを放つなど、試合の入りとしては悪くなかった。

 しかし、サガン鳥栖も果敢にプレスを仕掛け、鹿島が後方からフィードしようとするところにも足を伸ばして引っ掛けた。すると6分、高橋義希に完璧なミドルシュートを叩き込まれた。高橋に渡る前の場面で相手をオフサイドにかけ損ね、寄せることもできなかった。

 いきなりのビハインドを背負った鹿島に焦りが生まれる。前へ前へと急ぐあまりパスの精度が落ち、相手に何度もカットされてしまう。

 攻撃の中心として高いパフォーマンスを見せてきた土居も「1点取られてどうしても勝たないといけない状況で、少なからず焦りもあったと思うし、慌ててしまったところもあった」と振り返った。

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