注目してもらいたいのが両チームのゴールキーパーの存在だ【写真:Getty Images】
12月7日、味の素スタジアムで開催されるJ1昇格プレーオフ決勝。今年は3位・ジェフ千葉と、劇的な展開で準決勝を制した6位・モンテディオ山形の顔合わせとなった。
試合の見どころは多々あるが、そのひとつとして注目してもらいたいのが両チームのゴールキーパーの存在である。今オフは、いつになくJリーグでのGKの玉突き移籍が相次いだシーズンとなったが、千葉のゴールマウスを守っている高木駿と山形の山岸範宏も、ともに今季移籍してきたゴールキーパー。両チームの終盤の快進撃は、新守護神の存在なしにはあり得なかったとも言える。
千葉の高木駿は、川崎フロンターレから期限付き移籍で加入。プロ入り3年目の今年、出場機会を求めて移籍してきた若手だ。上背はないが、足元の技術に長けており、モビリティに優れた現代型ゴールキーパーである。新体制発表の場で「ふなっしー好き」を公言するなど、早くもサポーターのハートを掴んだ。
出番が巡って来たのはシーズン後半。これまでゴールマウスを守っていた岡本昌弘の負傷により、9月28日の東京V戦でリーグ戦初先発。天皇杯のセレッソ大阪戦も含め、公式戦デビュー4試合連続完封を記録し、一気に定位置を掴んだ。ビルドアップ能力にも優れており、攻撃的なチームを最後尾から勢いをもたらす存在となりつつある。
一方、山形の山岸範宏は、ベテランらしい存在感を見せ続けている守護神だ。2001年に浦和レッズに加入後、浦和一筋で活躍していたが、近年は出場機会が激減。
今年6月にJ2の山形に期限付き移籍で加入すると、すぐに正GKとして定着した。豊富な経験に裏打ちされた読みとセービング技術には安定感があり、最後尾から味方に檄を飛ばし続け、最後まで戦う姿勢をチームに注入。
そしてこの闘将は、先日のプレーオフ準決勝ジュビロ磐田戦で、後半ロスタイムにJリーグ史上初となるGKによるヘディングゴールを記録し、チームを劇的な決勝進出に導く偉業も成し遂げた。36歳のベテランが見せる仕事ぶりは、この試合でも注目を浴びそうだ。
千葉か、山形か。
両チームの快進撃を支えて来た、最後尾の選手を見つめてみるのも、案外面白いかもしれない。
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