ゴールラッシュの鍵は「悪辣さ」
プレイ内容では地元記者も唸らせていた本田だったが、もっともノーゴールという結果は継続中だ。
試合後のファンの反応を拾うと、「PKは取ったが本田は良くなかった」「シュートチャンスを外していた。メネズと入れ替わった感じ」という声もあったが、彼らは結果を重んじる。逆にいくら美技を連発してもゴールに繋がらなければ、「キザ」と言われて嫌われるような世界だ。
42分のメネズのクロスには飛び込みが遅れ、43分のボネーラのクロスには処理に時間をかけすぎた。
ストライカーとしてプレイをしていなかった彼に、エリア内で瞬時に最適なイメージを描いてシュートまで行け、というのも難しい注文だろう。ただそういうところをものに出来るようになると、「決定的な存在」と評価されることになる。
一瞬のシュートチャンスを逃さない冷酷さと、そのイメージを可能にするための技術とパワー。
「イタリアでは“カッティヴェリア(悪辣さ)”というんだが、そういうところなんだろうな」
トゥットスポルトのフェデリコ・マジーニ記者に談話を取った際、彼はそう言っていた。厳しいマークの中でもチャンスを作れるようになった本田が、シュートチャンスでそんな資質をコンスタントに発揮した時、再びゴールラッシュが始まるのだろう。
【了】
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