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Jリーグ 10年前

一昨年まで“4部選手”だった横浜FMのファビオ。ボランチで高いポテンシャルを発揮

text by 青木務 photo by Getty Images

別格だった存在感。J1で示したポテンシャル

 だが、当時から実力は抜きん出ていた。別のチームでプレーする関東1部のあるストライカーがこんなことを話していたのを思い出す。

「相模原さんのブラジル人、ファビオ選手はちょっとレベルが違いますね。どんな相手にも一対一で負ける気はしないんですけど、あいつにはなかなか勝てなかった」

 Jリーグを目指すクラブは日本中にあるが、相模原の選手の顔ぶれは当時から豪華だった。その中でもファビオの存在感は格別であり、それはJ1のマリノスで戦っている現在の姿を見ればよくわかる。

 関東1部からJ1は大きなステップアップだ。しかし、ファビオは自身の可能性を信じていた。そして、努力を怠ることも決してない。

「ここまで順調に成長しているのかなと思っています。相模原という下位のリーグからJリーグのマリノスに来たわけですけど、日々やっていく中で自分としては成長していると感じていますし、自分のポテンシャルも信じています。そういうものをトレーニングや試合で見せられていると思うので、個人的にはいまの段階でもいつでもレギュラーとして試合に出る自信は持っています」

 局面での判断や攻撃に移ったときのパス精度など、細かい課題はある。それでも、そのポテンシャルの高さは計り知れない。関東1部で規格外だったファビオは、J1でも規格外の選手になれるだろうか。ひとつ言えるのは、ポテンシャルは十分にある、ということだ。

【了】

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