“4部リーグ”から一気にステップアップ
今シーズンはこの日が11試合目だが、ここ最近はセンターバックから一列前のボランチとしてスタメン出場を続けている。
「ボランチはやったことがあります。ただ何年かやっていないので、ボランチとしてのプレーを思い出している段階なんですけど、全く知らないポジションではないのでやりづらさはない」とファビオは言う。そして、自分の特徴と役割も理解している。
「自分の役割としてはまず守りから入って、しっかりディフェンスをした上で攻撃に転じる時にサポートするということだと思っています。今日もそういう考えの中でしっかり守って、いつものように自分のプレーができたかなと」
ハイボールに強く一対一の粘り強さを備える。そしてファビオにとって、センターバックからの声は大きな助けになっている。
「後ろには日本代表クラスの2人がセンターバックにいるので、彼らの経験で声をかけてくれたり、指示を出してくれたりしてすごくやりやすい」
つい2年前まで、ファビオはJリーグでプレーする他のブラジル選手とは一味違う道を歩んでいた。当時、関東サッカーリーグ1部のSC相模原(現J3)でプレーしていたのだ。
関東1部というカテゴリーは、J1、J2、JFLの下に位置する地域リーグであり、実質4部リーグといえるカテゴリーだ。(当時はまだJ3は存在しなかった)
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