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本田圭佑 10年前

ウディネーゼ戦、先発濃厚の本田。求められる仕事はただ一つ「点を取れ」。得点量産への鍵とは?

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

ダービーで見られた復調の兆しとは?

 最近の試合では対策が進み、複数に囲まれて前のコースを切られると止まるシーンも多かった。だが1対1のシチュエーションを見つけた場合、本田はかなりの場面で勝っている。

 マーカーが足を出しにくいところにうまくボールを置き、時折フェイントを織り交ぜながら体の逆を突き、力強くボールを運んでいく。

 もっとも、そこから先のフィニッシュはイメージ通りにはいかなかった。本人によれば、「アウト巻きで右サイドに左のほうに曲がりながら吸い込まれていく」イメージを描きシュートを放ったが、シュートは力なくGKの正面へ行った。

 相手を振り切るためのドリブルやランニングを敢行したのち、フィニッシュの精度を保てるだけの体力をキープできるかが課題だ。

 ただ逆に言えば、そこを突き抜けさえすれば、再びゴールの量産体制に入るのかもしれない。相手も研究を進め、前半戦の日程が一巡するまでにどのチームも守備が固くなるのは、セリエAでは普通のことだ。

 スペースが消されて当たりも激しくなる中、わずかなチャンスを着実に決めきる強さの追求がどこまでなされるかに期待したい。

 ドローは続いたが、チーム状態には上向く兆しも見えている。特にエル・シャーラウィは復調中であり、左サイドからチャンスを作る形を徐々に取り戻している。そうすれば、前線にはよりスペースができてくるということだ。

 ミラン戦ではメネズが彼のアシストからシュートを決めたが、ああいったクロスが本田に渡る場面も増えてくるだろう。

 30日のウディネーゼ戦では右SBアバーテの復帰が間に合わない模様で、自ずとサイドアタックは左重視となるはずだ。右から中へと絞る本田が、フィニッシャーとして精度の高いプレイを発揮できるかどうか。攻撃陣のゴールを欲するチームも、そこに期待を掛けているはずだ。

【了】

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