レアル・マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長【写真:Getty Images】
UAEのアブダビ国立銀行とのスポンサー契約に署名したレアル・マドリーだが、その際歴史あるエンブレムに微調整を施したようだ。
スペイン紙『マルカ』が25日付で報じ、『ワシントン・ポスト』をはじめとした世界各国メディアが独自の分析を伝えている。
マドリーとアブダビ国立銀行がスポンサー契約にともなって新たに発表したクレジットカード兼クラブメンバーズカードをよく見ると、エンブレムの最上部にあったはずの“十字架”が消されていた。
これが様々な憶測を呼んだが、多くのメディアは「イスラム圏の文化に配慮するため」という見解で一致している。
過去にも同様の事例があり、2012年にエミレーツ航空とスポンサー契約を結ぶ際にも今回と同様の「マイナーチェンジ」が行われた。
ムスリムの人々にとって“十字架”はキリスト教のシンボルであり、簡単に受け入れられるものではない。
よって、イスラム教圏での商業活動時には「新たなファンを追求するために、アイデンティティの側面で妥協していくだろう」と『マルカ』紙は分析している。
今回のUAE国立銀行との3年契約ではかなりのお金が動くと言われているだけに、ビジネスパートナーを怒らせるようなことは避けたいはずだ。
マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長も「UAEとの関係は常に強く成長している」とコメントするのと同時に「戦略的提携」とも語っており、完全に商業的な関係ということがわかる。
最近ではイスラム国のテロリストによって、イラクやシリアの歴史あるキリスト教コミュニティに対する虐殺行為も行われており、中東でビジネスをするにあたって彼らの標的になることを避ける狙いもあったと見られる。
本拠地のサンティアゴ・ベルナベウにUAEの石油会社の名前が冠されるとも報道されており(https://www.footballchannel.jp/2014/11/20/post57073/参照)、ますます同国との関係を深めるマドリー。
金にまみれた“白い巨人”はどこへ向かおうとしているのか。どこまで大きくなるのだろうか。全世界から注目を集めそうだ。
【了】