セレーゾ監督に植えつけられたシュートへの意識
1988年生まれ、今年で26歳になった。
近年の鹿島は中堅がレギュラーに定着できないと言われてきた。黄金世代を筆頭とした経験豊富な選手たちの高い壁を、なかなか越えることができなかった。下を見れば大迫勇也(現ケルン)ら若手の台頭もあり、なかなか飛躍のきっかけを掴めない中堅世代もいた。
また、そうした“働き盛り”の選手たちが移籍してしまうこともあった。内田篤人はドイツへと旅立ち、増田誓志も出場機会を求めてチームを去った。その中で遠藤は、鹿島で成長し、チームの攻撃を司るまでになった。
今シーズンは夏場にパフォーマンスを落としたが、その時はチームの攻撃も停滞気味だった。遠藤が右サイドでタメを作り、味方を使いながら自らも果敢な仕掛けを見せる。彼が重要なアクセントになっていることは明らかだ。
プレーの質は以前から高かった。加えて今は、ゴールへの意欲が日増しに高まっている。
「まずゴールのことを第一に考えたのが一番大きいんじゃないかなと思います」と、得点数の増加について話した。
そして、そういうマインドを植え付けたのがトニーニョ・セレーゾ監督だ。
「普段の練習中からセレーゾが『ゴールが見えたらシュートを打て』とよく言うので、みんなもシュート意識高いです。ディフェンダー陣も含めて。シュートを打った人にしかゴールはないと思っているので、それが一番なんじゃないかなと」
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