狙われたCBギンター
2つ目は、ロングボールの使用である。そしてそのボールはサイドへと送られた。12分、チェンバレンが自陣右寄りから、左サイド前方のサンチェスへ。25分、カソルラがセンターサークル手前左から、右サイド前方のチェンバレンへ。これらの長いパスは、中盤を省略する格好となった。つまりドルトムントに、中央でプレスの的を絞らせないということである。
試合を通してアーセナルに引いて構えられ、またサイドへのロングボールを使用されたことで、ドルトムントのゲーゲン・プレッシングは無効化した。第1戦のホームとは代わって、アーセナルのゲーゲン・プレッシング外しが見事にハマったということになる。
そして3つ目が、ギンターを狙ったことだ。フライブルクから今季よりドルトムントに加入したギンターは、まだ上手くチームに溶け込んでおらず、ディフェンスに不安定さを抱えている。
2分のアーセナルが先制したシーンだが、チェンバースが、ギンターを背に抑えたサノゴにスローインを入れる。サノゴはボールをキープして、カソルラにパスを送ると、つられてギンターはサノゴのマークを外してしまう。そのままギンターの裏を取ったサノゴが、再びカソルラからパスを受けて、きっちりと決める。1-0。
【次ページ】香川投入も効果はあまりなく…