好成績の翌年に低迷。歴史は繰り返す
選手たちは、それらの試合全てにおいて、ピッチ上で恐れていたように見えた。おそらく、多くの“ハイプ”(誇大宣伝)に巻き込まれ、新たな『アイドル』としてのステータスやヘアスタイルに気を取られたばかりに、本来成すべき「試合に勝つ」という仕事を忘れてしまったのかもしれない。
それは、ポポヴィッチがシーズン前に仄めかした懸念でもあった。
「我々は、試合に集中しなくてはならない。周囲ではなく、スタジアムとそれに関わることにね」と、彼はキックオフ・カンファレンスで語っていた。
その当時、私はポポヴィッチがタイトル争いに向けて自戒の念を込めて発言したのだと仮定していた。しかし、今考えてみると彼は既に引き継いだチームの精神的な弱さに懸念を抱いていたのかもしれない。
「我々が最初にやらなければならないのは、この若いチームがプレッシャーに打ち勝つことだ」と彼は続けた。
「チームは若い。セレッソの歴史において、2シーズン続けて同じレベルを保てたことがない。1シーズンは良かったとしても、その他はせいぜい“まあまあ”だった。我々は、より一定である必要があり、今季はより高みへ辿り着くチャンスを得られることを願っている」
彼はチームの課題を明らかにした。セレッソの歴史において、前シーズンのパフォーマンスを維持することに苦労していたことを指摘したのだ。
2000年、彼らは年間5位でフィニッシュしながら、翌年はJ2へ降格。2005年にも5位でフィニッシュ(最終節で首位に立ちながら終了間際の89分に当時FC東京に在籍した今野泰幸による同点弾で引きずりおりされたが…)しながら、翌年はまたもJ2降格。
2010年には3位という成績を残しながら、翌年は12位に急落。そして、彼らは昨年4位でフィニッシュし、2014年に望むことが出来る最高の成績は14位となっている。