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Jリーグ 10年前

降格危機のC大阪、社長辞任は正しいのか? 同じ失敗を繰り返しかねない責任逃れの“現代流切腹”

シーズン前にはタイトル獲得の大本命と言われながら、相次ぐ監督交代で降格の危機に瀕しているセレッソ大阪。岡野雅夫社長は、不振の責任を取って辞任を表明したが、それは本当の意味で「責任を取った」ことになるのだろうか。

text by ショーン・キャロル photo by Kenzaburo Matsuoka , Asuka Kudo / Football Channel , editorial staff

「トップが退く」のは体のいい方法。現代における切腹とは?

降格危機セレッソ、岡野社長辞任は『責任逃れ』。失敗から学び立て直すことこそ真の『責任を取る』
セレッソ大阪の岡野雅夫社長は成績不振の責任を取ってシーズン後に辞任することを宣言【写真:編集部】

 セレッソ大阪は、首の皮一枚でJ1残留の可能性を残しているが、岡野雅夫社長は成績不振の責任を取ってシーズン後に辞任することを宣言した。

 皆さんはカフェで働いているとして、トレーからグラスを床に落とした場合、肩をすくめながらエプロンを脱いで出口へと向かうだろうか?

 ノー。私なら手と膝をついて床を拭き取り、自ら招いた混乱を鎮めようとするはずだ。なぜ、会社でトップを務める人物には同じことが当てはまらないのだろうか。

「責任を取る」ということは通常、岡野社長のように自ら犠牲となることを指しているようだが、私にはまるで正反対なことをしているように見える。ある友人は、セレッソの発表が行われた翌日に「岡野社長の行為は『責任を取った』のではなく、タオルを投げることで『責任から逃れた』のだ」と語った。

 現代における“切腹”は、「公的に自らのミスを謝罪する」という意味になってしまったようだ。

 なぜ、間違いから学び、正しい方向へ向かおうとしないのだろうか? 岡野社長がセレッソの最終決定を下す人物に相応しい男であるかどうかは、確かに疑問だ。しかし、彼に降格危機の責任を全て負わせることが出来るだろうか?

 もちろん、ノーだ。

「トップが退く」というのは、体のいい方法のように見える。それは壊滅的なシーズンの責任から当事者以外のすべての人物を解放するためのものでしかない。

 綺麗ごとを抜きにして語れば、責任を取る必要のある人物(そして非難されるべき人物)は数多く存在する。2014年の失敗は、主に選手とコーチたちに原因があるだろう。

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