CLの暗い影
しかし、国内での序盤戦に結果を出しているアッレグリに対して、チャンピオンズリーグが暗く長い影を落としている。
平均的な難易度のグループに組み込まれたユベントスだが、決勝トーナメント進出を確定させるにはまだ程遠い状況。その目標を逃せば少なくとも1000万ユーロ(約14億6400万円)の経済的損失を被るだけではなく、昨シーズンのグループステージでの屈辱的敗退に続いてクラブのイメージがまたも損なわれてしまうだろう。
グループ突破の可能性を高めるためにも、チームとサポーターの士気を高めるためにも、アッレグリはマルメでの試合で絶対に勝利を挙げなければならない。欧州での戦いに関しては、サポーターはここ数年で何度も落胆を味わわされてきた。
近年のチャンピオンズリーグでのユベントスは低調なパフォーマンスを見せてきたし、アンラッキーでもあった。
例えばデンマークでのアウェイゲーム2試合(2012年ノアシェラン戦、2013年コペンハーゲン戦)では合計60本のシュートを放ちながらも、わずか2点のゴールを奪うにとどまり、2試合とも1-1で引き分ける結果に終わっている。
今季のホームでのマルメ戦では2点を奪うために19本のシュートを要し、ギリシャでのオリンピアコス戦では15本を打ちながらも1-0の敗戦を免れなかった。
何度かチャンスを作り出しながらもほんのわずかなゴールしか決められないというのは、コンテの率いた3シーズンを通してユベントスが抱えていた欠点だった。アッレグリも、少なくとも前任者の3-5-2システムを継承しているうちは同じ問題を引き継いでいた。
だが最近になって戦術を変更すると、これが魔法のように解決されたように見える。
ここ2試合のユベントスのゴール決定率は、パルマ戦で33%(シュート21本で7ゴール)、ラツィオ戦で30%(10本で3ゴール)。セリエAや欧州の他のトップリーグでの平均値がシュート9本で約1点だということを考えれば、非常に印象的な数字だ。