17分間ながら存在感を示した本田
一方のミランは、スタッツ上では指揮官の狙い通りとなったものの、勝ち点3を掴めなかった。どちらかと言えば“敗戦に等しいドロー”となってしまった。
その要因としては、やはりフェルナンド・トーレスの存在感の無さが挙げられる。
シルビオ・ベルルスコーニCEOたっての希望で先発となったものの、73分間の出場でシュートなし。チャンスを演出することも無ければ、パスは計17本で成功11本。3度の空中戦も制することが出来ず、前線でボールを奪取することも無かった。
オプタのデータを基に「squawka.com」が出すパフォーマンス・スコア(攻撃・守備・ポゼッションでのレーティング)では両チーム最低の-36点という低い評価となり、「who scored.com」のレーティングでも同じく両チーム最低の6.0点だった。
結果としてミランは、73分間を「10人で戦っていた」と言っても良い状況となっていた。
そんなトーレスを起用するために“犠牲”となった本田(他にも様々な理由を挙げられてはいるが)は、そのトーレスと交代でピッチに投入。77分に右サイドから切り込んでシュートを放った場面は、自らペナルティエリアに持ち込んでのもの。
代表ウィーク前のサンプドリア戦とパレルモ戦では先発しながら1度もペナルティエリアに入ることなく終わっていたため、このプレーは今後の復調を予感させるものだった。
その後も17分間の出場だったものの、攻守に存在感を発揮。ベンチスタートとなった鬱憤を晴らすかのようなテンションでプレーしていた。
冒頭で伝えた通り、この試合は初めて日本人が両チームに分かれてプレーした歴史的なミラノダービーとなったが、本田自身が試合後に語った通り先発で見たかったことも事実だ。