サンプドリア戦後半の戦術コンセプトを継続へ
開幕から11戦連続でスタメン出場を続けてきた本田。しかしそれが、ミラノダービーで途切れることが濃厚となった。
地元紙によれば、これまでの練習では4-4-1-1のシステムが試されたという。前線の並びはフェルナンド・トーレスをワントップにメネズがトップ下、左MFにエル・シャラウィに右はボナベントゥーラ。「本田は外される模様」と報じられていた。
22日の前日会見でインザーギ監督は、「この一週間4-2-4でも練習した」と報道内容を否定せず、「サンプドリア戦は良かったので、そこから再び始めていく必要がある」とも語っていた。
これはもちろん、後半から盛り返した4-4-1-1を指す。本田は後半14分で下げられ、システム変更はそれを機に行われている。
「トーレスを投入して4-4-2に変更し、ボナベントゥーラをサイドに回して相手のDFを広げたかった」というのが、その理由だ。
「本田は喉の痛みが影響した」とインザーギは試合後に語ったが、戦術的にはアバーテの故障欠場が影響したのかもしれない。普段では本田が外から中へ絞り、外に空けたスペースにアバーテが走り込むことで相手のDFを押し広げていた。
サンプドリア戦ではデ・シーリオを左から右に回し、オーバーラップをさせていたものの連係はうまく機能しなかった。
結果、スピードで縦を突破するタイプではない本田は敵に囲まれやすく、パスコースを切られた状態でボールを受けなければならなくなっていた。そういうことだったら、アタランタではサイドアタッカーを務めていたボナベントゥーラを使ったほうが、敵陣を横に広げられると考えたのだろう。
ダービーでもアバーテの回復は間に合わなかった。同じ条件なら、サンプドリア戦後半の戦術コンセプトの継続を指揮官は思考しているのかもしれない。
後半に起用されるとしたら、その時には間違いなく攻撃が機能せず、1点が欲しい時だ。前線のスペースが断たれているであろう状況の中で、チームのトップスコアラーとして信頼を勝ち取ったゴール前での集中力を発揮してほしい。