子どもに知らず知らずのうちにたくましさを身につけるために
一方で、相手のボールホルダーはすぐにプレッシャーがかかるのだから、ボールを奪ってから悠長にプレーしているスペースや時間がなくなる。自ずと状況判断のスピードやそれに伴う技術を身につけなければならなくなる。
強度の高いプレー環境に子どもをどっぷりと浸からせて、切磋琢磨させる、サバイバルさせる。ここでより重要になるのは指導者の目だ。
「一つひとつのプレーを指導者が見ながら『そのプレーを続けていたら5年後はどうなるかなあ?』などと声をかけてあげればいい。本当に負けたくないという100%の気持ちでいまを戦えているかどうか。そこはしっかり指導者が見てあげないと」(松本さん)
初めは子どもが、やらされている、という感覚でもいい。だが強度の高い環境でのプレーが当たり前になったとき、子どもに知らず知らずのうちに負けず嫌いさやたくましさが少しずつでも身についていれば、そして、眠っているだろうパッションを徐々にでも引き出すことができれば――。
もちろん、ボールを奪われたら奪い返す、これもあらゆる方法論の一つでしかないのだろうが、長年子どもを見続けてきた指導者たちが“現代の子ども”をサッカーで変えるためにまずやるべきこととして口を揃えているのは事実。暗中模索のいまを突破する糸口として、いますぐできる方法論として、おススメしたい。
【了】
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