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ジュニサカ 10年前

社会が狂わす“現代の子ども”をサッカーで変えるためにできること

text by 鈴木康浩 photo by junior soccer editorial staff

ガキ大将タイプの子どもが育たない現代の環境

 U12世代での指導キャリアが37年。かつて原口元気(ヘルタ・ベルリン)を指導し、その他にも多くのプロ選手を輩出してきた江南南サッカー少年団(埼玉)の総監督であり、現役の小学校教諭の松本さんは、こう嘆く。

「いまは問題が起きる前に摘み取る管理社会。大人にとってある程度子どもを管理したほうが楽だからです。そのために個性のある子どもが生まれにくい状況があります」

「昔は突出したガキ大将タイプがいて、その子が絶対に負けないという気持ちを見せて周りの子どもを感化していた。それがいまは指導者から、こうやるといいよ、と教わっていて、それができる子どもが優秀とされている」

 子どもが変貌してしまった原因は様々なのだろうが、そんな子どもを預かる側の指導者たち、とくに松本さんのように指導のキャリアが長く、子どもが変貌していく様子を間近で見てきた指導者ほど、直感的にこう感じているようだ。

「だから子どもに頑張らせないと」
「負けず嫌いな子どもを育てないと」

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