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日本代表 10年前

アギーレジャパン、6つの親善試合で見えたコンセプトと収穫。アジア杯までに求められる課題とは?

text by 河治良幸 photo by Getty Images

カギを握るマルチロール、ジョーカーの活用

アギーレジャパン、6つの親善試合で見えたコンセプトと収穫。アジア杯までに求められる課題とは?
対戦相手や試合展開に応じて、柔軟な戦い方を取り、それを選手にも求めるハビエル・アギーレ監督【写真:Getty Images】

 GK3人をのぞく20人は基本的に10のポジションに2人を配置する布陣になるが、左右のサイドバックをこなす酒井高徳やセンターバックが本職ながらアンカーも務まる森重真人、左ウィングがメインだが右ウィングや4-4-2のトップでも起用できる武藤嘉紀など、複数のポジションをこなせる選手の存在は長丁場の生命線となる。

 怪我や出場停止など、主力のアクシデントはそうしたマルチロールの活用で埋めていくしかないが、得点を取りに行くためのジョーカー、守り切るためのカードなども見切りの部分は大きい。

 過去2試合を見る限り、相手に疲れが出る後半にドリブルや飛び出しで違いを生み出せる乾貴士を左サイドに投入し、終盤の得点が欲しい時間帯では豊田陽平を加えるのは効果がありそうだ。

 相手がゴール前に守備を固めてくる場合、岡崎と豊田を並べる形も考えられるが、シミュレーションはできていないポイントだ。チームのベースはアギーレ監督の中でも固まっているはずだが、状況に応じて切るべき交替カードの想定は、指揮官も語っていた残り1~2枚の選択にも大きく関わるところだろう。

 ザッケローニ前監督よりも、対戦相手や試合展開に応じて、柔軟な戦い方を取り、それを選手にも求めるアギーレ監督。

「4年前は自分たちに経験が無かったぶん、大会の中で成長していったチームだったと。今度は4年間を通して自分たちがもっと成長して経験も積めた」と川島が語るように、経験豊富な選手たちが多いため、柔軟な戦い方をしていけるはずだが、選手と指揮官の意識の共有を含め、ここからの準備が重要になってくることは言うまでもない。

【了】

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