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代表 10年前

“健全なライバル関係”。豪州側から見た、日豪両代表の立ち位置とは?

text by 植松久隆 photo by Getty Images

「アジアカップはホーム。今回とは違う結果が出る」(ジュディナク)

 前段が長くなったが、今回の大阪・長居のピッチでも、そのヘルシーなライバル関係の成熟を、身をもって感じることができた。

 ジュディナクは、ミックスゾーンを通過した後のFOXのインタビューで、「日本は前半の入りは少し押さえている感じだったが、すぐに本気になってきた。もしかすると我々を過小評価していたのかもしれないが、前半はこちらの有利に進んだ。だからこそ、後半に入ってからの2失点で勝利を逃したことが残念でならない」と試合を振り返った。

 さらに、日本との再戦の可能性に触れて「アジアカップで日本と対戦するのであれば、ホーム開催のアドバンテージを最大限に生かすことで、もっと自信を持ってやれるはず。そうすれば、今回とは異なる結果が出る」と自分に言い聞かせるように語ったのが印象的だった。

 一方、試合後の会見で「アギーレジャパンの印象」を日本のメディアに聞かれたポスタコグルー監督は「私は豪州代表監督として、ここにいる。そのような質問は日本代表の監督に聞いた方が良い」とプライドを覗かせたと同僚の記者から教えてもらった。

 ミックスゾーンにいた筆者は、その発言を直接聞いていないので、その語感やニュアンスは分からない。しかし、ポスタコグルーを良く知る身としては、その発言に込めたポスタコグルーの思いは分かる気がする。W杯後、なかなか結果の出ないポスタコグルーは前回のコラムで書いたように、今回の日豪戦に結果と内容を欲していた。

 試合の前半は優位に進み、豪州にしてみれば勝つチャンスのあった試合だった。やはり、悔しかったのだろう。その状況で試合直後に相手チームの論評はしたくない――然もありなん、である。

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