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ジュニサカ 10年前

レッズの守護神・西川周作選手の軌跡をたどる。小学生から始めたゴールキーパーと自分

text by 元川悦子 photo by Getty Images

ミスを恐れず大きく構える

――中学を卒業して実家を離れることに、親御さんは反対しませんでしたか?

レッズの守護神・西川周作選手の軌跡をたどる。小学生から始めたゴールキーパーと自分
西川は「2005年ワールドユースで試合に出られて、自分の選んだ道は間違ってなかったと思いましたね」と振り返る【写真:Getty Images】

「『自分の好きなところに行きなよ』と言ってくれました。トリニータの場合、寮と遠征費はクラブが払ってくれるんですけど、学校は私立の大分東明高校だったので、その学費がちょっとかかりましたよね。親は何も言いませんでしたけど。

 寮に入った直後はホームシックにかかって、休みのたびに週1回、実家に帰っていましたよ(苦笑)」

――大分で初めてGKコーチの指導を受けて、西川君は急成長したんですよね。

「『ここで自分はプロになるんだ』って思い続けて練習していました。高2のときに初めて日本代表のチャンスをもらって、大熊(清=前大宮アルディージャ監督)に使ってもらった。

 松井(謙弥=現徳島ヴォルティス)君や海人(山本=現ヴィッセル神戸)との競争はすごかったけど、僕はマイペースでやることを心掛けていました。

 2005年ワールドユース(オランダ)で試合に出られて、自分の選んだ道は間違ってなかったと思いましたね。大分でもその年はファンボさんが監督だったんですけど、ベテランもいる中で新人だった自分を使ってくれた。

 シャムスカ(前ジュビロ磐田監督)が来てからもそうでした。本当にありがたいですね」

――GKは途中交代が滅多にないポジション。一度定位置を失うと控えでじっと耐えなければいけないこともありますね。

「大事なのはブレないこと。自分が目指すところを見て取り組むしかないから。

 一番やっちゃいけないのは、人の不幸を祈るとか、笑うとか。それをやったら自分は負けだと思う。GKは大きく構えてないとダメですね。

 ひとつのミスが勝敗につながることが多いポジションだけど、『ミスしたらどうしよう』とかも全く考えてないし、相手が来た方が楽しいくらいの気持ちでやっています。

 僕が重視しているのは、ミスした後のプレー。そこでの切り替えがチーム全体に大きな影響を与える。1回ミスしてもチャレンジし続けて、90分間のうちに2度目3度目のピンチを止められるかどうかで全然違いますから」

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