「臨機応変にシステムをチェンジできたという収穫もあった」
遠藤と長谷部をボランチに並べ、後半からは今野泰幸が入って長谷部と組んだことで、中盤が安定化し、相手の勢いを止めることに成功した。そして結果的にCKの流れから今野と岡崎慎司が2点を叩き出すことに成功。勝利を引き寄せることができたが、アルベルト・ザッケローニ監督時代への回帰とも言われかねない戦い方に当面は賛否両論が沸き起こりそうだ。
「経験のある選手が出てるということで、臨機応変にシステムをチェンジできたという収穫もあったんじゃないかと思うし、実際に変えてからよくなったという点ではね、今日のことはポジティブに見たいなと。
(アジアカップでは2つのシステムを併用させていく?)まあ経験が大事ですよね。前回も何とかその場しのぎで、根性みたいな形で優勝しましたけど、あの大会はいろんなハプニングはあるじゃないですか。
格下であっても一筋縄ではいかないというか、そこをしっかり勝つっていう意味では、この2試合はそれを証明できた。一歩前に進めてるんじゃないかなと。これでまた後ろに下がらないように続けてやっていきたいと思いますね」とブラジルW杯までの彼とは別人と思えるくらい、本田は現状を冷静に受け止め、ポジティブな方向へ持っていこうとしている様子だった。
とはいえ、この11月2連戦で遠藤や長谷部、今野が際立った存在感を発揮したことで、アジアカップの日本代表はブラジル大会を戦ったベテランが軸と担うのが濃厚となった。指揮官が9月以降、チャンスを与えた若手のうち、ただ1人6試合全てに出た武藤嘉紀はベネズエラ戦(横浜)以来ゴールがなく、柴崎岳もオーストラリア戦は出番なしに終わった。
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