日本とのアウェイ戦、指揮官にも選手にも重要な試合に
今回は日本での試合ということもあり、来年1月からのメルボルン・シティ移籍でAリーグ復帰予定のジョッシュ・ケネディ(名古屋)の招集の可能性は取り沙汰された。しかし、ケネディは持病の腰痛が悪化。治療を経て現在は復帰に向けて調整中ということで今回は選考の対象外となった。
ところが、常に腰に大きな不安を抱えるケネディは既にポスタコグルー監督の構想外ではないかという憶測が現地メディアの中にはある。
今回のメンバーでぜひチェックしてもらいたいのは、現代表の中ではクラブレベルで一番の成功を収めているキャプテンのミレ・ジェディナク(クリスタルパレス)。欧州のサッカーメディアでは、“プレミア・リーグ有数の外国人MFのひとり”と高い評価を集める30歳の守備的MF。
中盤の底で彼が睨みを利かせることで、サッカルーズのチーム全体がピリッと締まる。決して派手さのある選手ではないが、彼がいるのといないのでは、オーストラリアの中盤のクオリティの差は歴然だ。
ケーヒル、ブレシアーノ、ジェディナクら、いわゆる“当確”が出ている選手以外で、現在、選考の当落線上にある選手たちにとっては、今回の日豪戦はただの親善試合に終らない。
現地メディアが“fringe player”(筆者注:fringeとは、カーペットなどの両端のふさ飾りを意味する。そこから転じて、当落ギリギリのところでぶら下がっている選手というニュアンス)と表現する彼らのような選手にとっては、自らのメンバー入りを確実にするには今回の遠征が最後のアピールの場となるからだ。
もちろん、監督のポスタコグルー自身も今回の日豪戦を単なる親善試合とは捉えていない。さらに、オーストラリア国内のサッカー・ファンもアジア最強の日本との対戦を今までの親善試合と同等には考えないだろう。