「圭佑と一緒にやるのがすごく楽しみ」
その10分後には、右に開いた本田からの絶妙のスルーパスをもらいながら決めきれずに悔しい思いをしたが、1年以上に渡って追い求めてきた1点を奪った意味はやはり大きかったようだ。
「メディアの方がいろいろ『豊田は初ゴールを決めてない』と書いてくれたので、そのプレッシャーはあったけど(苦笑)、やっと取ることができてよかったです。
ゴールはゴールとして嬉しいし、やっとちょっと踏み出せたかなという気がします。けど、そこまで大きな自信を得たというわけではない。現状を大きな自信に変えられるように、ゴールを積み重ねていきたいと思います」と小さな手ごたえをつかみつつも、代表としてより大きな飛躍を遂げる必要性を改めて強調していた。
ザックジャパン時代は「自分は周りからの信頼が薄いので、思うようなタイミングでなかなかボールが来ない」と苦しい胸の内を打ち明けていた。が、アギーレジャパン発足後は本田が右サイド、香川がインサイドハーフと主力の数人がポジションを変更し、新戦力も数多く加わったことで、豊田にボールが供給される回数も増えてきた。
「試合をやった感じでは、すごく楽しみだなと思いました。ホンジュラス戦では圭佑が2点目につながりそうなパスも出してくれましたし、しっかり決めないという反省はあります。でも、その関係性だったり、動きに対して見てくれているってところはあると思う。
圭佑は点も取れるし、周りも生かせる選手なので、一緒にやるのがすごく楽しみかなと。オーストラリア戦に向けても、すごくチャンスが増えてくるだろうなというのは感じます」と自分を生かしてくれる体制が確実に整ってきたことを、豊田はポジティブに捉えていた。
そういう意味でも、18日のオーストラリア戦は2戦連発の大きなチャンス。屈強なフィジカルと競り合いの強さを誇る相手に、日本人屈指のパワーと高さを持つ豊田がどこまで対峙できるか次第で、チームの流れも大きく変わってくるだろう。