後任にマンチーニ。勝利と育成の両立が求められる
そして結局、トヒルはモラッティに聞き従うことになる。火曜日に両者は会談を行ない、モラッティから「マンチーニかレオナルドのどちらか」と選択肢を突きつけられたという。
そしてトヒルは、「国際的にも実績があり、イタリア人で最高の監督」という理由でロベルト・マンチーニを新監督に選択した。
「マンチーニと2年半の契約を結んだことで、税金も含めてインテルは3000万ユーロ(約43億5000万円)の支出をすることになった。そして1月には『補強もする』と宣言している。ここまで投資をせず、イタリアサッカーを理解していなかったトヒルは、これで完全にモラッティ路線に沿うようになったということだ」
一般紙レプッブリカのインテル番として、一連の出来事を取材したアンドレア・ソレンティーノ記者は語る。
三冠獲得時の選手はおらず、若手を育てなければいけないが、勝たなければ許されない。収入は増やせず、負債がかさみUEFAファイナンシャル・フェアプレーの規定に接触する恐れも出る中、投資もしなければならなくなった。インテルはかなり無茶な状況に自らを追い込んでいる。
もっとも6年ぶりに就任したマンチーニ監督はクラブの現状を理解しているようだった。15日の就任会見で「インテルに戻ってこられるとは思わなかった」と語った彼は、次のように抱負を述べていた。
「若手を育てることは、今回自分がこのプロジェクトを受諾した大きな理由の一つだ。最初にインテルに就任した時も、選手は少しずつ力をつけて強くなった。熱意を持って、しっかりと練習を積めば魅力的なサッカーが出来ると思う」
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