注意点2:サイドからのロングクロス
サイドでボール保持者を厳しくチェックし、ゴール前に精度の高いクロスを上げさせない。これはザッケローニ前監督もオーストラリア戦で選手に強く言っていたことで、おそらくアギーレ監督も大きくは変わらないはず。ただ、前からボールを奪う意識の強い現在のチームで1つ気がかりなのは、いざ蹴られた時のゴール前の状況だ。
ホンジュラス戦ではサイドからアーリー気味に上がったクロスに対して、ペナルティエリア内に吉田麻也しかおらず、2人のFWに1人での対応を強いられた場面があった。ちょうどボールが吉田の頭上に落ちて来たこと、相手のFWがそれほど空中戦に強くないため助かったが、オーストラリアに同じシチュエーションを許したら、決められる危険はかなり高くなる。
ボールを奪う志向の強い日本のディフェンスは、サイドに展開されたボールに対しても厳しくチェックしていくが、同サイドの選手に加えて、アンカーとセンターバックの1人が同時に寄せると、中央でクロスに備える選手の人数が足りなくなってしまう。
早いタイミングのクロスというのは、どれだけ厳しくサイドのチェックに行っても手前で蹴られ、それがゴール前にいい形で入ってしまうこともある。つまり100%事前に防ぐことが難しいシチュエーションだ。そこは全体のバランスを見極め、声をかけ合いながら対応していく必要がある。
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