「自分みたいな新人が縮こまっては連係もよくならない」
9月のベネズエラ戦(横浜)でアギーレジャパン初ゴールを決め、新生・日本代表の期待の星に躍り出た武藤嘉紀(FC東京)。彼は柴崎岳(鹿島)とともに9・10月シリーズの全4試合に出場。メキシコ人指揮官の期待の大きさを伺わせた。
本人も「ブラジルだったり、ジャマイカ戦でしっかり学んだこと、特にタッチの質だったり、ドリブルの置き方、タッチを大きくしてしまうと海外の選手はやっぱり強いですし、それを考慮したプレーができればいいと思っています。
代表に慣れてはきましたけど、初心を忘れず、何が何でも結果を残すっていう気持ちで今回も臨みたい」と11月2連戦(ホンジュラス・オーストラリア)に向けた代表合宿スタート時に意気込みを新たにしていた。
そんな武藤に対するアギーレ監督の信頼は、遠藤保仁(G大阪)、長谷部誠(フランクフルト)ら代表実績のあるベテラン勢が抜擢されても揺らぐことはなかった。
彼はホンジュラス戦(豊田)でも3トップ左で先発。鋭いドリブル突破から吉田麻也(サウサンプトン)の先制点につながる左CKを獲得するという大きな仕事をやってのけた。代表でのプレーに慣れた面々の中に1人入ってプレーするのは難しかっただろうが、45分間の動きを見る限りでは、そこまで戸惑いは感じられなかった。
「ヤットさん、長谷部さんといったブラジルW杯メンバーに1人入って、思っていたよりはうまく連係も取れました。これからどんどん、そういうのも上げていけば、自分のよさをもっと出していけると思う。気後れするところもなかったですね。
自分みたいな新人が縮こまってしまうと連係もよくならないので、コミュニケーションをしっかり取っていきたい。欲を言えば、個人的にゴールを取れていれば最高の形だったんじゃないかと思います」と本人は無得点に終わったことを悔しがりつつも、第一歩としては悪くない感触を抱いた様子だった。