インターナショナルマッチウィーク中に解任
2014年はイタリアサッカーにおけるトップクラブ3つで合計4回も監督が交代するという異例な年だった。しかもそれらすべてが劇的な交代だったことも印象的だ。
1月にミランのマッシミリアーノ・アッレグリが解任されたのは、セリエA昇格1年目のサッスオーロに4-3で敗れた直後だった。しかもその試合は本田圭佑のミランデビュー戦で、サッスオーロのドメニコ・ベラルディに一人で4ゴールを決められたのを憶えている人も多いはずだ。
そして古巣の危機にレジェンドであるクラレンス・セードルフが現役生活に終止符を打ってまで駆けつけたが、監督経験のない彼にチームを崩壊から救うだけの力はなく、就任からわずか5ヶ月後にあえなく解任となった。
王者ユベントスはプレシーズンキャンプが始まって2日後に指揮官を失った。アントニオ・コンテはその直後にイタリア代表の監督に就任するが、この“人事異動”を予想していた人がどれだけいただろうか。コンテの後任には1月にミランで職を失ったアッレグリが収まり、いまのところ問題なくチームを操縦している。
そして今回、インターナショナルマッチウィーク中にインテルのワルテル・マッザーリが解任された。彼が契約途中で解任されるのは14年の監督キャリアで初めてのことだ。
後任にはかつてインテルを率いてリーグ3連覇を達成し(最初の優勝はカルチョポリの陰で運よくこぼれてきたものだが)、黄金期の礎を築いたロベルト・マンチーニが就任した。
【次ページ】解任の最大の理由は「インテリスモ」の欠落