6月までセレッソ大阪でプレーしたミッチ・ニコルス【写真:Getty Images】
今季大型補強を敢行したセレッソ大阪のメンバーの中に一人のオーストラリア人選手がいた。ミッチ・ニコルスだ。
昨年の東アジアカップでオーストラリア代表デビューを果たした24歳は、満を持してステップアップを果たしたはずだったが、チーム状況にも翻弄され、わずか半年で失格の烙印を押されてしまった。
ニコルスは現在Aリーグのパース・グローリーでプレーしているが、15日付の豪メディア『ヘラルド・サン』のインタビューに答え、日本での挑戦について語っている。
C大阪への移籍を決めた経緯について「僕には(海外へ挑戦する)チャンスがそれほど多くあったわけではないから、チャンスが訪れたときに様々なことを比べて日本へ行きたいと考えた」、「日本のサッカーは優れていたし、Aリーグからすれば明らかにステップアップだ」と自らにとって大きな挑戦だったことを明かしている。
とはいえ日本へ移籍すると思うような出場機会を確保することができず、オーストラリア代表としてW杯出場の機会も逃してしまった。このことについては「自分はそれまであまり代表に関与してこなかったから」と日本でのプレーが直接影響したわけではないことを強調しているが、ディエゴ・フォルランらを補強しながらも2度の指揮官交代や更なる外国人FWの補強など迷走したC大阪に不満もあったようだ。
「自信が持てるようになってきたタイミングで監督が替わったけど、テクニカルダイレクターやGMは新しいスタッフの下でトレーニングに参加するチャンスすら与えてくれなかった」
ランコ・ポポヴィッチ監督からマルコ・ペッツァイオリ監督に交代した直後にニコルスがAリーグに復帰すると発表された。新チームになった段階で構想外になっていたようだ。
しかしJリーグへ挑戦したこと自体は後悔していないようで、「海外でプレーできたことをポジティブに考えているし、いつもJリーグでプレーしたいと思っていたんだ。いい経験だった」と語っている。
1年間のローン移籍でパース・グローリーに移籍したニコルスだが、来年夏にC大阪へ復帰するかは「僕が復帰を望んだとしても、どうなるかはまだわからない」とのこと。
18日にはオーストラリア代表の一員として、かつてのホーム長居スタジアムで日本代表と対戦するが、「ちょっと皮肉だよね」と冗談を混ぜながら、「上手くやって僕に高いレベルでプレーできるだけの潜在能力があるということを見せたい」と意気込んでいる。
ニコルス擁するオーストラリア代表はここ最近勝ち星から遠ざかっている。アジアカップ前最後の強化試合となる18日の日本戦で勝利を取り戻すことできるだろうか。
【了】