サッカーへの投資が減少しない理由
だが、サッカーという競技自体と、金(かね)という物差しだけは、万国共通である。
最後に、表(4)は、2014年3月時点での各クラブの資産規模を表したものである。
ここでも、顔ぶれは、ほぼ同じだ。
また、分野は違えども、米メジャーリーグでは、1球団当たりの平均資産価値は8億1100万ドル(約908億円)で、トップはニューヨーク・ヤンキースの25億ドル(約2800億円)。
それと比較しても、サッカー界の、特に上位チームの資産価値は負けてはいない。
2005年にグレイザーが7億9000万ポンド(約1580億円)で買収したユナイテッドの価値は現在、28億1000万ドル(約3091億円)と、9年間で約2倍にまで膨れ上がった。
株式公開の目的は、ユナイテッドの例は別にしても、認知度の向上もそのひとつだが、欧州サッカーの強豪クラブに限って言えば、そんな心配は露ほどもいらないくらい、絶大なブランド力を誇る。
「この20年以上、ずっと価格が下がらないんだよ」
世界有数の別荘地フランス・ニースで25年間、不動産業を営んでいる経営者がそう語ってくれたことがある。
どこかの国のバブルが弾けても、またどこかの国が好景気に沸き、その国の誰かが大金を抱えてやって来ては、うん10億円もするような物件をポンポン買っていってくれるからだという。
欧州サッカーについても、それと同じ現象がすでに始まっているのは間違いないだろう。
※12回にわたり連載してきた『フットボールマネーを追え!』はこの回をもって最終回となります。
【了】
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