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フットボールマネーを追え!【12】下落するマンUの株価。サッカークラブにおける株式公開の是非

シリーズ:フットボールマネーを追え! text by 小松孝 photo by Getty Images

アトレティコを苦しめる700億円の借金。好調な“ドイツの巨人”

フットボールマネーを追え!【12】下落するマンUの株価。サッカークラブにおける株式公開の是非
フランツ・ベッケンバウワー(ドイツサッカー連盟副会長兼バイエルン名誉会長)【写真:Getty Images】

「強いチームが勝つのではなく、勝ったチームが強い」とは、フランツ・ベッケンバウワー(ドイツサッカー連盟副会長兼バイエルン名誉会長)が残した名台詞だが、その言葉を今風に言い換えれば、「金があるチームが強い」ということには、なりはしないか。

 アトレティコ・マドリーは昨季、リーグ制覇とCL準優勝という好成績を残し、UEFAからも多額の報奨金が得られるが、経営自体は決して楽ではない。

 そのため、昨季までの立役者であったジエゴ・コスタをチェルシーに移籍金3800万ユーロ(約52億円)で放出するなど、必死になって借金返済に務めているようにも思える。

 だが、そうした努力も5億ユーロ(約700億円)以上とも言われる巨額な累積債務の前では、焼け石に水である。

 そこで、とうとうと言うべきなのか、中国不動産業界を代表する大富豪の王建林(ワン・ジェンリン)による資本参加が表明された。

 また、同じリーガエスパニョーラからは、S&Pの格付けランキングでは12位と『Top』評価を得ていたバレンシアも、シンガポールの投資家ピーター・リム氏による買収が、この11月に発表されたばかりだ。

 その一方、絶好調なのがバイエルンである。

 S&P格付けランキングでも8位と堅調で、13/14シーズンの収益については、コマーシャル収入が大幅に拡大し、加えてリーグ制覇とビッグイヤーに輝いたことからも、5億2,800万ユーロ(約740億円)を売り上げたという。

 その結果、来年初に発表される同季の『フットボール・マネー・リーグ』では、マドリーとバルセロナを抜いて1位に躍り出るのではないかとも囁かれている。

 サッカークラブ経営のあり方は、リーグによってまったく違う。また、民族によっても、4つの文化コードに分類されるように、それぞれ固有の特長がある。さらにいうならば、EU域外では、通貨の種類もバラバラだ。

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