アトレティコを苦しめる700億円の借金。好調な“ドイツの巨人”
「強いチームが勝つのではなく、勝ったチームが強い」とは、フランツ・ベッケンバウワー(ドイツサッカー連盟副会長兼バイエルン名誉会長)が残した名台詞だが、その言葉を今風に言い換えれば、「金があるチームが強い」ということには、なりはしないか。
アトレティコ・マドリーは昨季、リーグ制覇とCL準優勝という好成績を残し、UEFAからも多額の報奨金が得られるが、経営自体は決して楽ではない。
そのため、昨季までの立役者であったジエゴ・コスタをチェルシーに移籍金3800万ユーロ(約52億円)で放出するなど、必死になって借金返済に務めているようにも思える。
だが、そうした努力も5億ユーロ(約700億円)以上とも言われる巨額な累積債務の前では、焼け石に水である。
そこで、とうとうと言うべきなのか、中国不動産業界を代表する大富豪の王建林(ワン・ジェンリン)による資本参加が表明された。
また、同じリーガエスパニョーラからは、S&Pの格付けランキングでは12位と『Top』評価を得ていたバレンシアも、シンガポールの投資家ピーター・リム氏による買収が、この11月に発表されたばかりだ。
その一方、絶好調なのがバイエルンである。
S&P格付けランキングでも8位と堅調で、13/14シーズンの収益については、コマーシャル収入が大幅に拡大し、加えてリーグ制覇とビッグイヤーに輝いたことからも、5億2,800万ユーロ(約740億円)を売り上げたという。
その結果、来年初に発表される同季の『フットボール・マネー・リーグ』では、マドリーとバルセロナを抜いて1位に躍り出るのではないかとも囁かれている。
サッカークラブ経営のあり方は、リーグによってまったく違う。また、民族によっても、4つの文化コードに分類されるように、それぞれ固有の特長がある。さらにいうならば、EU域外では、通貨の種類もバラバラだ。