継続した強さを見せるクラブはほぼ固定化されている
表(3)の20チームのうち上位12チームに対する全体的な評価は、総じて『Top』だったものの、調査対象となった全44クラブのなかで、株式公開をしている17クラブの信用格付けについては、アーセナルの『bb+』が最高で、『a』すらなかった。
つまり、ピッチ内外を通じたパフォーマンスや株価の動向などに関する定量分析の結果としては、どのクラブにも厳しい判断が下されたということだ。
こうした状況のなかで、選手補強などを繰り返し、多くのクラブが赤字を垂れ流していたのだから、欧州サッカー連盟(UEFA)のプラティニ会長が業を煮やしたのも無理はない。
プラティニ会長が導入を英断したファイナンシャル・フェアプレー(FFP)は、13/14シーズンから正式施行されたが、導入以前に積まれた、欧州サッカー全体を覆い尽くすであろう巨額な累積債務については、それこそ天文学的な額が依然として残存しているものと思われる。
そうしたなかにあっても、勝利を得るにはやっぱり金がいる、ということが表(3)からもうかがえる。
この表(3)から推測できる傾向性としては、レアル・マドリーやバルセロナ、バイエルンなど、継続した強さを見せるのは、ほぼ固定化された5、6チームに限られるということだ。
蛇足だが、その一方で、残念ながら、セリエAの弱体化については、この表(3)からも同時に伝わってきてしまう。
このような常態化現象に見られるチーム名は、『フットボール・マネー・リーグ』の収益ランキングの上位陣とほぼ同じ(『フットボールマネーを追え!【06】』https://www.footballchannel.jp/2014/09/26/post49729/を参照)で、そのことからも、『収益=勝利』という図式を否定することは難しい。