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フットボールマネーを追え!【12】下落するマンUの株価。サッカークラブにおける株式公開の是非

シリーズ:フットボールマネーを追え! text by 小松孝 photo by Getty Images

継続した強さを見せるクラブはほぼ固定化されている

フットボールマネーを追え!【12】下落するマンUの株価。サッカークラブにおける株式公開の是非
表(3)過去5シーズンのCLベスト8

 表(3)の20チームのうち上位12チームに対する全体的な評価は、総じて『Top』だったものの、調査対象となった全44クラブのなかで、株式公開をしている17クラブの信用格付けについては、アーセナルの『bb+』が最高で、『a』すらなかった。

 つまり、ピッチ内外を通じたパフォーマンスや株価の動向などに関する定量分析の結果としては、どのクラブにも厳しい判断が下されたということだ。

 こうした状況のなかで、選手補強などを繰り返し、多くのクラブが赤字を垂れ流していたのだから、欧州サッカー連盟(UEFA)のプラティニ会長が業を煮やしたのも無理はない。

 プラティニ会長が導入を英断したファイナンシャル・フェアプレー(FFP)は、13/14シーズンから正式施行されたが、導入以前に積まれた、欧州サッカー全体を覆い尽くすであろう巨額な累積債務については、それこそ天文学的な額が依然として残存しているものと思われる。

 そうしたなかにあっても、勝利を得るにはやっぱり金がいる、ということが表(3)からもうかがえる。

 この表(3)から推測できる傾向性としては、レアル・マドリーやバルセロナ、バイエルンなど、継続した強さを見せるのは、ほぼ固定化された5、6チームに限られるということだ。

 蛇足だが、その一方で、残念ながら、セリエAの弱体化については、この表(3)からも同時に伝わってきてしまう。

 このような常態化現象に見られるチーム名は、『フットボール・マネー・リーグ』の収益ランキングの上位陣とほぼ同じ(『フットボールマネーを追え!【06】』https://www.footballchannel.jp/2014/09/26/post49729/を参照)で、そのことからも、『収益=勝利』という図式を否定することは難しい。

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