9日に行われたスイス・スーパーリーグ第15節アーラウ対チューリヒの試合で1人の選手がたったワンプレーで現役引退に追い込まれるという悲劇が起こってしまった。
『インディペンデント』などの複数メディアが11日に事の顛末を細かく報じている。
事件は試合が始まったばかりの19分に起きた。こぼれ球を拾おうと足を伸ばしたチューリヒのジル・ヤピ・ヤポに対し、アーラウのサンドロ・ヴィーザーが凄まじい勢いで突っ込む。
互いにトップスピードで衝突すると、ヤポが地面に倒れこんで動けなくなった。
映像ではヴィーザーの足裏がヤポの身体の外側から右ひざの上に入り、ひざが本来曲がらないはずの方向に曲がっている様子が確認できる。
このタックルで負傷したヤポは、深刻な軟骨損傷に加え前十字じん帯断裂、半月板断裂、膝蓋腱断裂などの大怪我を負い、プレーを続行できなくなってしまった。
当然ヴィーザーにはレッドカードが提示されたが、ヤポは後日この負傷で現役引退は避けられないことが判明している。
試合はさらに1人の退場者を出したアーラウに対し、アウェイのチューリヒが勝利したが、何とも後味の悪い勝利となってしまった。
この件に関してヴィーザーは試合後に自身の『フェイスブック』で「自分のしたことを本当に後悔している。怪我をさせようという意図は全くなかった。自分も怪我をした経験は多くあるが、それを望んでいたことは一度もない」とコメントしている。
当人が謝罪する一方で、チューリヒにそれを受け入れる気は毛頭ないようだ。アンチッロ・カネパ会長はヴィーザーに対して法的措置を求める手続きを開始したことを認めた。
かつてバーゼルでともにプレーしていた元コートジボワール代表のヤポとリヒテンシュタイン代表期待の若手ヴィーザー。
たったワンプレーで両者には悲劇的な結末が待ち受けていようとは誰が予想しただろうか。ヤポはこのまま現役引退、ヴィーザーは今後の処分などを待って処遇が決まると見られている。
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