他のSBよりも高い評価。しかしコンディションは…
酒井高徳は縦の突破力だけでなく、守備時の状況判断やボール捌きにも長足の進歩が感じられる。本人も自覚するクロスの質に課題はあるが、内田を除けば、最もアギーレ監督の求めるサイドバック像に近い選手かもしれない。
左の太田宏介には距離を問わない高精度のクロスがある。U-21代表候補でもある松原健は運動量が抜群で、高速クロスは練習の中でも目立っている。もちろん今回は外れた長友には爆発力と対人戦の強さがあり、酒井宏樹は速さ、強さに高さが加わる。
しかしながら、アギーレジャパンでサイドバックに求められる資質をトータルすれば、内田が高く評価されるのは当然だろう。またアギーレ監督は内田がもたらす経験に期待をかけている。
勝負に対するこだわりも、実際に試合を重ねる中でアギーレ監督の信頼をさらに高める要因になるはずだ。ただ、そうした評価とは裏腹に、内田の体はギリギリの状態にある。
これまで何度か日本代表に対するモチベーションを疑問視されても仕方ない発言をしてはいるが、ピッチで示して来たパフォーマンスが真実を物語っているはずだ。実は2年ほど前の遠征試合で1度、膝の状態について語ったことがあった。
その当時から内田は故障の不安と戦いながら、クラブと代表の往復をこなし、今年2月に痛めた太ももの負傷とも戦いながら、1つの節目としてブラジルW杯を迎えたのだ。そしてシーズンの序盤戦を治療とリハビリに費やすこととなった。
練習の通りなら、ホンジュラス戦で内田は先発する。おそらくオーストラリア戦にも出場するだろう。そこからアジアカップ、さらに先の代表戦で彼の姿を見ることができるのか。それは彼のモチベーションではなく、体の“判断”を待つしかないのかもしれない。
【了】
フットボールチャンネルfacebookはこちら→
フットボールチャンネルTwitterはこちら→